AGREEMENT OF HAPPINESS





「え、ちょ、なに…わっ」

 腕をつかまれたと思ったら、突然ひっぱられた。柔らかい音をたてて白いシーツの海につつまれる。そこにあったのは、フランのどアップ。至近距離で目が合い、思わずパンネロは頬を染めうつむき目を閉じた。そっと、自分の背中にフランの腕がまわってくるのを感じる。

「…!」

びく、と体が震えた。自分が今おかれている状況も、これからどうなるかもわからない。ぎゅっと体をかたくして身構える。が、フランはもう動こうとしない。不思議に思い、おそるおそる目を開けると。

「フラン?……って」

寝てるし。
そこにあったのは、気持ちよさそうに目を閉じているヴィエラの端正な寝顔だった。

「急に、なんなのよ…」

あたしをひっぱり込んでおいて、なに勝手に寝てるの。パンネロは頬をふくらませて、フランの腕から抜け出そうとする。しかし、体をずらそうとするたび、フランのパンネロを抱く腕の力は強くなり、しまいには、嬉しそうにすりよってきた。

「……」

パンネロは呆れたようにため息をつき、しかしすぐにちいさく笑った。

(…まあ、いっか)

フランが幸せそうなら、それで。
パンネロはちらっとフランの寝顔を盗み見、自分もフランの鎖骨のあたりに額を押しつけた。途端により伝わってくるフランの体温を、うん、心地いい、とかなんとか思ってみたり。


「…あのふたり、わたしのこと忘れてるんじゃないでしょうね」

ちなみにベッドの中からにじみ出ているピンク色のオーラを感じて殿下が顔をしかめていたのは、ふたりの知るところではない。




end






そういえばはじめて書いたフラパンがこれです 手探り状態なのがばればれ…

07/04/21 再アップ